2012年5月9日水曜日

美術館の話

美術館は結構好きで…、と言いつつこの間行ったのは大友克洋原画展だったんだけど。どんなものが好きかと言うのかは実は行って実際みてみるまで分からない、と言うのが会ってそう言う意味でも美術館に足を運ぶと言うのは結構いい事なんだなあと思っております。

と、言う私も放浪している間に時間だけはあったのでよく美術館に行って、まずそこでああ、結構私はこういうのをみたりするのが好きなんだなあ、と言うのが分かってそれもまた良かった。美術館と言うのは楽しい、と言うのを学んだ訳ですね。その当時私は28くらいなので人生若干損をしている感じ。もちろん、それまでも全く美術館に行った事がない訳ではないのだけれどももっと早く開眼していればもう少し違った人生になっていたのではないか(多分それは違うけど)

行ってみるまで分からないんだなあ、と思うのは例えばブルックリンミュージアムでグアテマラの布地をみてそのあまりの完成度の高さと色合いの素晴らしさにびっくりしてじっくり眺めたり、実際に目にするまで存在すら知らなかった物を見て胸が高まったり、自分の中の嗜好がはっきりして行く感じがすごく楽しかった。へえ、私はこういう物が好きなのか!と言う驚き。

自分の好きな物が増えると、自分の引き出しが実際多くなると思う。確かに私が日常生活の中でルーブルのコプト美術の事について話す事はないけれども実際あのセクションはオリエントのセクションと同じくらいのお気に入りでいつでも思い出そうとするとくっきりと思い出せる。正直オランダ絵画よりはそっちの方が好きだったりする。イタリア絵画も意外と古い方が好きだったり、カタルーニャ美術館に行ったら自分がつくづくロマネスク美術も好きなんだなあと驚いたり。何が好きかと言うのは実際見てみないとわからないんだよね、何が好きかは。

だから世界の美術館にはまだまだ私の知らない私の宝が多分あるんだと思うので、みんなも自分の宝物を探しに行ったら良いんじゃないかなと思う。

美術館での体験は個人的な体験で誰と行っても好みは所詮自分だけの物と言うのも面白い所。ちなみにうちの親は何故かすべての美術館で水差しばかりを熱い眼差しで見ています。個人の嗜好ってほんとにわからない。前世はたぶん陶工だったんだと思う。

でも実際にみると言うのは大事で、オリジナルの持つ空気感と言うかその場でみると言う事に勝る体験と言うのはないと思う。いくら通信が良くなっても、画面が奇麗になっても。オリジナルのゲルニカの前に立つと言う体験には勝てないんだと思っている。やはり体験は大事だなあ、それがすべてではないと思うんだけど。

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